COLNAGO CLX 3.0のセミオーバーホール
タイヤとの接触で削れてしまったフレームをチェック
今回は、COLNAGO CLX 3.0のセミオーバーホールをご依頼いただきました。

一見すると大きな問題はなさそうな車体ですが、点検を進めていくと、
いくつか気になる部分を発見。
丁寧に走行・保管されていたようですが、やはり時間には勝てなかったようです。
ケーブルのアウターは経年劣化でボロボロに崩れていき、
インナーケーブルにもサビが出ています。
ベアリング類は大きな傷みこそありませんでしたが、グリスはかなり劣化していました。

そんな状態の中で、今回特に気になったのが、
シートステイのリアブレーキ台座下側に見られた、タイヤの接触によるフレームの摩耗
です。

タイヤがフレームに接触
リムブレーキ全盛期のロードバイクでは、
フレームとタイヤのクリアランスをいかに小さくするかということも、
ひとつの設計上のポイントでした。
そのため、当時のフレームはタイヤとフレームの隙間が
かなりタイトに設計されているものも少なくありません。
特に分かりやすいのが、タイヤのクリアランスです。
23Cがスタンダードだった当時は、**「25Cを入れたらフレームとのクリアランスがギリギリ」**なんてことも珍しくありませんでした。
もちろん、当時は今ほどタイヤの太さを求められていなかったという背景もあります。
そんな当時の自転車に、
最近のトレンドに合わせて28Cなどの太いタイヤを取り付けようとすると、
フレームに引っかかって入らないなんてこともあります。
仮に目視ではギリギリ入ったとしても、それで安心とは限りません。
タイヤとフレームの隙間が十分に確保されていない状態で使用すると、
走行中にタイヤがわずかに振れたり、
フレームやホイールがたわんだ際に接触することがあります。
さらに、タイヤとフレームの間に砂や小石などが入り込むと、
「サンドペーパー」のような状態になり、
走行を重ねることでフレーム表面が徐々に削られてしまいます。
今回のCLX 3.0にも、まさにその痕跡が確認できました。
「少し当たっているだけ」が意外と怖い
自転車を止めた状態では、タイヤとフレームの間にわずかな隙間があるように見えても、実際の走行中は条件が変わります。
ペダリングによるフレームのたわみやホイールの振れ、路面からの入力などによって、
クリアランスが変化するためです。
つまり、現在主流となっているワイドタイヤを装着する場合、
**「装着できるか」だけではなく、「走行時に十分なクリアランスがあるか」**を
確認することが重要です。
セミOHでは「消耗品」だけを見るわけではありません
今回のようなセミオーバーホールでは、チェーンやブレーキ、変速機などの作動確認だけ
ではありません。
タイヤとフレームのクリアランス
フレームの傷や摩耗
ホイールの振れ
各部のガタ
ボルト類の状態
消耗部品の状態
など、実際に走行するうえで気になる部分も確認していきます。
特に、普段はなかなか目につかない場所を確認できることも、
オーバーホールの大きなポイントです。

タイヤサイズは「入ればOK」ではありません
最近はロードバイクのタイヤもどんどんワイド化しています。
しかし、フレームが設計された年代によっては、
現在の基準で見るとタイヤクリアランスがかなりタイトなモデルもあります。
また、タイヤは同じ「25C」「28C」という表記でも、
メーカーやリム幅によって実際の幅が変わります。
そのため、タイヤ交換の際にはサイズ表記だけで判断せず、
実際にホイールへ装着した状態でフレームとのクリアランスを確認することが大切です。
今回の作業
今回のCLX 3.0は、各部を点検しながらセミオーバーホールを実施しました。
特に問題となっていたタイヤとフレームの接触については、摩耗している箇所を確認し、
今後同じ状態にならないよう、タイヤ・ホイール・フレームのクリアランスを
チェックしました。
摩耗痕は塗装が完全に剥がれ、カーボン地が見える状態になっていました。
幸い、カーボン自体は大きく削れていなかったため、表面を確認したうえで、
念のため保護シールを貼って対応しました。
自転車の整備では、異音や変速不良など、**「症状が出てから直す」だけではなく、
「トラブルの原因になりそうな部分を早めに見つけること」**も大切です。
今回のようなフレームの摩耗も、初期段階で気付くことができれば、
大きなトラブルを防げる可能性があります。
「最近ちょっと異音がする」「タイヤとフレームの隙間が少ない気がする」
「長く乗っているので一度点検したい」
そんな場合も、お気軽にご相談ください。




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